本棚には、その人の個性やその人の歴史のようなものが表れています。小さいころ好きだった冒険ものの小説や動物、虫の図鑑、学生時代にハマった恋愛小説や純文学など、なぞってみるとその人の生きざままで見えてくるようです。友達の家に行くと必ず本棚をチェックする、という人も多いのではないでしょうか。
本棚はいつでもその人に寄り添い、辛い時も楽しい時もその人の心を支えています。「辛い時にはこの本、悲しい時にはこの本、そういえばあの時、この本読んで心を奪われたっけ…」と、本棚を見るだけで自分だけの空間に引き込まれ、時間を忘れて楽しんだ経験のある人は多いでしょう。本棚は非常にプライベートで個人的な空間とも言えます。
本棚は今までの自分を知っていてくれる、安心できる場所のひとつとして数えられるのではないでしょうか。現代人は忙しく時間に追われ、成果に追われる中で自分をふと振り返る場所が必要な時があります。しかし実際は時間に追われる中でそんな時間を確保することも難しい人が多いかもしれません。そんな時には自宅の本棚の前に立ってみるといいでしょう。小さいころの自分、学生の頃の自分、岐路に立たされた時の自分に立ち返ることができ、ふと自分の歴史に触れたような気がして落ち着いた心を取り戻し、本当に大切なものを見失わないようにできるかもしれません。
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