書斎のある暮らし

家を買った。
間取りを決める時に譲れなかったのは自分の仕事スペース、書斎。
座り心地のいい『社長の椅子』と、パソコンを置けるデスク、壁一面を本棚に、とオーダーした。
何しろ自分ときたら自他共に認める「本の虫」「活字中毒」「読書バカ」。
自分だけの空間で本を読み、仕事をする。これ以上の贅沢がどこにあるだろうか。
そして家が完成し、自分だけのスペースを手に入れることができた。
広さは3畳。立った時に目の高さにくる程度の低めの壁で目隠し、入って正面は一面すべて棚。デスクは作りつけで社長の椅子も用意した。座り心地も良い。完璧だ。
引越しの荷物を解き、重みで底が抜けそうな段ボールから一つずつ丁寧に本を出し、棚にしまう。本の高さに合わせて底板の高さを調節し、世界でただ一つ、オンリーワンのオーダーメイドの壁面本棚をつくっていく。

 

この壁いっぱいに本が並び、その中で本を読みふける。考えるだけでわくわくする。作者別、ジャンル別、サイズ別に仕分けしながらしまう作業もまた楽しい。
こうして、小説をはじめとして実用本、コミック、エッセイ、専門書から洋書に至るまで自分の好きな本をこれでもかと詰め込んだ書斎が完成し、新生活は幕を開けた。