大きな本棚がある生活

私は独身の時、組み立て式の大きな本棚を購入しました。
きっかけは、三つ上の兄からの突然の電話でした。

 

「お前、毎月本にいくら使ってる?」
「雑誌を2冊買うくらいだから1500円くらいかな。」
「もっと本を読め。じゃあな。」

いつもぶっきらぼうな兄に似つかわしくない内容の電話にあっけにとられ、急に何を言い出すのだと思ったまま、しばらくスルーしました。
ところが、ちょうどその頃、お付き合いしていた人と別れ、一人の時間をもてあましていたとき兄の電話を思い出し、兄にメールをしました。
「おすすめの本を教えてよ。」とメールすると、返信がありました。

自己啓発本やビジネス書のタイトル何点か送られてきて「毎月3冊は読め。」とありました。
その時は素直に言うことを聞いて、毎月新刊の新書を3冊は購入し、中古本も購入するようになり、すっかり活字の虜になりました。

そしてすぐに高さ180センチ横250センチほどの大きな本棚を購入しました。
本で埋まるまでは、グラスを入れたり、コレクションのマニキュアを飾ったりしてインテリアとしても使っていました。

今では、結婚をして子供もいますが、主人も幼少期から本好きで、子供達も本が大好きです。
オーダーメイドで作った大きな本棚は、それぞれに割り当てたスペースを厳選された本達で埋め尽くされています。

いつでも本がそばにある環境で、誰かが読み始めると読書の時間となるため、本はどんどん増え、今では大小あわせて四つの本棚があります。本棚は私たち家族の歴史を語ってくれるスペースです。

今年小学一年生になった娘も、年間一千冊ペースで読んでいます。
今では、あの時の兄の電話に感謝しています。