友人宅の本棚を見るのが趣味です

初めて遊びに行く友人の家では、必ず本棚を見てしまう。
悪趣味であることは自覚しているが、持ち主である本人がどういうものでアイデンティティを形成し、どういうものに心を動かされるかを答え合わせしているようなこの瞬間がたまらなく好きだからだ。

 

もちろん棚に悠然と収まっている本たちの中には、手垢が付くほど読み倒された本もあれば、中古書店でお目当ての本が見つからず手ぶらで帰ることも憚られたために苦し紛れで購入したが一度も目を通されていない本もあるだろう。
いろいろ想像した挙句、「これ気になってたんだけど、面白かった?」だとか「これ最高だよね」だとか話すのも、楽しい。

 

気になっていた本が友人宅にあったときには借りることもあるのだが、それよりもテーマ等を特に指定せずに友人のオススメを借りることが多い。
だいたい貸す側は迷う。迷った挙句、一冊の本をオーダーメイドで作ってもらった本棚から取り出し、「好みか分からないけど、私はこれが好きだな」などと少し予防線を張りつつ、貸してくれる。

 

失礼ながら確かに毎回好みとは限らないが、友人はこの本のどういうところが好きなんだろうと考えるのも楽しいし、いたく感動し思わぬところに自分の琴線があることに気づかされたりもする。
悪趣味であることは自覚しているが、今後も続けていきたいと思う。